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「自治体の仕組み・営業企画のための基礎研修」のカリキュラムの一例です。国の予算から自治体の予算書までをたどり、読み取ったことを面談の仮説に変えるところまでをお伝えします。

研修の概要

研修
自治体の仕組み・営業企画のための基礎研修(1〜2日)のうち、予算を扱う回
対象
自治体をお客様とする、デジタル・DX企業の営業・企画のご担当者
持ち帰るもの
公開されている予算資料から、次に動きそうなDXのテーマと、面談で確かめたい仮説を書き出せるようになること

予算を、商談の仮説に変えるまで。

予算を査定し、議会で答弁してきた立場から、公開されている資料のどこを、どの順に読むかをお伝えします。

国から自治体までの、お金の流れ

自治体の新しい事業は、国の重点と連動して生まれることが多くあります。DXの事業も、国の補助金や地方交付税の措置をきっかけに動くことが少なくありません。自治体の予算書だけを読んでいても背景は見えにくいため、まず国の方針から自治体の予算までを、ひとつの流れとしてつかみます。

流れをつくる5つの段階
段階役割読むときの着眼点
骨太の方針政府全体の大きな方針予算の優先順位が示される
国の予算国の歳入・歳出を具体化省庁別の事業費が計上される
地方財政計画地方全体の収支の見通し地方の財源が調整される
自治体の当初予算各自治体の1年の実行計画地域の事情に合わせて具体化される
自治体の補正予算年度途中の見直し国の動きと連動することが多い

国の重点から読む、DXのテーマと財源

国の重点から、自治体で動きやすいDXのテーマを読み取ります。あわせて、そのテーマにどの種類のお金が付くのかを確かめます。財源の種類によって、担当課の動き方や事業の続き方が変わるからです。

地方交付税は、自治体ごとに見込まれる行政の需要と税収の差を埋めるしくみです。人口の少ない町村ほど、歳入に占める地方交付税の割合が大きくなります。交付税の措置があるテーマは、小さな自治体でも動きやすいと読めます。

国の重点から読むDXのテーマ

  • 窓口DX
  • システムの標準化・共通化
  • データ利活用
  • AI活用
  • デジタル人材の育成
  • 安全・安心への対応

テーマに付くお金

  • 国庫補助金
  • 交付金
  • 地方交付税(特別交付税の措置を含む)
  • 地方債

出典:総務省「令和7年版 地方財政白書」第1部 10 市町村の団体区分別財政状況
https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/hakusyo/chihou/r07data/2025data/r07czb01-10.html

自治体の予算書を、上から順に読む

予算書は、全体の方針から細かな費目へと、順に降りて読みます。担当課の名前や金額だけでなく、どの費目にどう計上されているかに、事業の中身が表れます。

まず大局をつかむ資料

  • 予算編成方針
  • 施政方針
  • 当初予算の概要
  • 重点施策
  • 部局別の主要事業
  • 債務負担行為(複数年度にわたる契約)
歳出の「款」から、分野ごとのDXを探す
款探すDX
総務費全庁のDX
民生費福祉のDX
衛生費健康・保健のDX
土木費インフラ管理のDX
消防費防災のDX
教育費学校のDX
費目(節)から、案件の形を読む
節読み取れる案件
報償費人材育成の講師謝礼
委託料調査・システム構築・研修
使用料及び賃借料SaaSの利用、端末などのリース
備品購入費端末の整備
工事請負費ネットワークなどの環境整備

前年との違いから、変化を拾う

1年分だけを見ても、事業の勢いはわかりません。前年度の予算と並べて、変わったところを拾います。あわせて、読み手が陥りやすい見落としも確かめます。

前年との比較で拾う変化

  • 新しく立ち上がった事業
  • 増額され、重点化された事業
  • 減額され、見直しの余地がある事業
  • 継続事業の更新の時期
  • 補正予算で急に浮上したテーマ

よくある見落とし

  • 情報担当課の予算だけを見る
  • 予算額の大きさだけで判断する
  • 当初予算だけで読み終える
  • 補正予算を追わない
  • 制度の改正を見ない

DXのテーマに変え、面談の仮説にする

読み取った動きを、自治体DXでいま論点になっていることと重ね合わせ、面談で確かめる仮説に変えます。予算に表れた事業の段階ごとに、次に何が起きやすいかを読むのがポイントです。

自治体DXで、いま論点になりやすいこと

  • 窓口改革
  • 標準準拠システムへの移行後の運用の見直し
  • ガバメントクラウドへの移行後の最適化
  • 庁内の業務改革(BPR)と生成AIの活用
  • データ活用
  • 広域連携
予算の動きを、営業の仮説に変える
予算に表れた動き読み取れる仮説
計画の策定次年度の調達の前触れ
実証事業本格導入への入口
システムの更新業務改革(BPR)を提案する好機
研修費伴走支援への入口
担当課(原課)の事業ほかの課・自治体へ横展開する種

まとめ

  1. 国の重点を見る
  2. 制度と財源を見る
  3. 自治体予算に落ちた形を見る
  4. 面談の仮説に変える

研修のあと

研修で書き出した仮説をもとに、交付金・商材の診断、伴走支援へと進めます。

  1. 基礎研修
  2. 交付金・商材診断
  3. 伴走支援(月額)
  4. 実装・運用